ドラマの中にさりげなく登場し物語が佳境に入る頃にはキーマンとなっている人。
ドラマを見終わった後もずっと気になってしまう人。
そんな名脇役、キム・ウォネの魅力を特に印象深かったドラマ3作品からご紹介します。
ドラマや映画に出演し始めたのは2012年頃からとごく最近のキム・ウォネですが、それまでの彼の経歴やドラマで見逃せないポイントをお伝えします。
キム・ウォネのプロフィール
1969年5月21日生まれで現在50歳となるキム・ウォネ。
1991年にミュージカル「世間知らず」で俳優デビューします。その後ミュージカル俳優として活動し、1997年から2006年まではNANTAのメンバーとして世界を回りました。
NANTAはセリフのないミュージカルで、レストランの厨房でコックに扮した出演者が野菜を刻む音などで音楽を作り出すアーティスティックな作品です。
その後40歳になる頃には一度俳優を辞めて飲食店を経営しますがすぐに廃業してしまいます。再び演劇の道へ戻り、活動し始めたドラマや映画の世界で独特の個性を発揮し今では人気の名脇役として活躍しています。
脇役というにはあまりにも存在感が大きく、ドラマのキーマンとして登場するキム・ウォネの出演作品をご紹介します。
①カヤグム奏者ウルクを演じた「花郎<ファラン >」(2017年公開)
新羅時代に実在した国王の親衛隊(花郎)を描いた青春ラブロマンス『花郎<ファラン>』の中で主人公ムミョンの育ての親で王宮一のカヤグム奏者といわれたウルクを演じました。
第一話の登場シーンでは貧しい村でムミョンに矢を向けるちょっとファンキーな養父というかんじでしたが、その後音楽の名手として花郎たちが暮らす仙門にやってきます。
カヤグム(伽耶琴)という朝鮮半島の伝統弦楽器の達人として花郎たちに演奏を披露し、「拍」の重要性を説きます。
楽器ならなんでも演奏できてしまうウルクは太鼓や水の入った金属の器でも美しい音を奏でます。
まさにキム・ウォネの真骨頂、NANTAで長年演奏し続けてきたリズム感と躍動感ある演奏から「タダものではないぞ!」と感じさせられました。
こんな音楽の達人がなぜ貧しい村でムミョンを育てていたのだろう?と疑問を持たせる重要な役どころでもあります。
その後もドラマ終盤までムミョンの素性を知るものとして登場し起点となる役割を果たしました。いくら役者さんでも急に練習してこの演奏は無理でしょう…というような素晴らしい技を見せつけていて、気になる俳優ランキングの1位に躍り出ました。
まさにウルクはキム・ウォネのための役だったと言ってもいいでしょう!それぐらいハマり役でした。
②ラストまで目が離せない!「あなたが眠っている間に」(2017年公開)
不幸な予知夢を見てしまうホンジュ、ジェチャン、ウタクの3人がそれぞれの夢を繋ぎ合わせて未来を変えていくファンタジック・ラブロマンスです。
キム・ウォネは主人公で新米検事のジェチャンを支える捜査官ダムドンを演じています。慣れない仕事に悪戦苦闘するジェチャンの面倒を見ながら根気よく捜査に付き合ってくれる優しい先輩として登場します。
元刑事という視点から事件解決の糸口を見つけ出しピンチを救ってくれる存在でもあります。
正直、ドラマの序盤ではそこまで気になる人物ではなかったのですがラストではキム・ウォネに泣かされます!!
このドラマは伏線がとても多くて後半はその回収で忙しいのですが、ここでダムドン出てくるのね~と驚きの連続です。
ドラマ全体が優しい雰囲気に包まれているのですが、特にこのダムドンの生き様が悲しくも優しさに溢れていて強く印象に残りました。
主役のイ・ジョンソクやペ・スジの演技も引き込まれますが年齢を重ねた過去のある演技が秀逸でした。
③脇役じゃなくて主役!? 「力の強い女ト・ボンスン」(2017年公開)
小柄で可愛いけれど実は怪力のボンスンと、ある理由からボディーガードを探していたゲームソフト会社の社長が出会うラブコメディ。
このドラマの中でキム・ウォネは2役を演じています!最初はボンスンにボッコボコにされるチンピラ・グァンボク役で、その後ゲームソフト会社の開発企画チーム長・ドルピョとして再登場します。どちらの役もクセが強めでインパクトありすぎる人物です。
「力の強い女ト・ボンスン」は笑いありサスペンスありの展開が面白いドラマですが、笑いの部分はほぼキム・ウォネが主役といってもいいのではと思うくらい笑わせてくれます。
街のチンピラでペクタク派のグァンボクは幼稚園バスの運転手に難癖をつけていたところをボンスンにやっつけられて病院送りになります。それはもうひどい重症を負うのですが、小柄で可愛らしい姿のボンスンにやられたと誰も信じてくれません。
歯が抜け、顎が外れているグァンボクがボスのペクタクに訴える場面や、ボンスンに再会して恐怖でおしっこを漏らすシーンなど笑いが満載です。
前半で思う存分笑わせてくれたにも関わらず、後半ではオネエ風味のクセ強めなボンスンの上司、ドルピョとして出てきます。
ドルピョは社長のミンヒョクに片思い中で、社長に可愛がられているボンスンが気に入りません。対抗心むき出しで嫌がらせをする姿が可愛くもあり可笑しくてたまりません。
キム・ウォネの役の幅の広さを知った作品でした。
おわりに
ご紹介した3作品は2017年に韓国で公開されたドラマばかりを選んでしまいましたが、キム・ウォネはこの年のKBSとSBSの演技大賞で助演男優賞にノミネートされています。
テレビで広く知られるようになるまで時間がかかったキム・ウォネですが、今ではドラマに欠かせない存在として引っ張りだこです。
新しいドラマを見ていてキム・ウォネが出ていたらちょっと注目してみてください。期待を裏切らない演技をしてくれること間違いなしです!